福岡県内を中心に15の保育園を運営し、医療的ケアが必要な子どもたちの訪問看護、放課後等デイサービスを展開する株式会社ブランチェス(本社:福岡市博多区、代表:権藤光枝)は、2023年8月より福岡市・北九州市にて医療的ケア児の「通学支援事業」に取り組んでおります。
医療的ケア児の「通学支援事業」とは
医療的ケア児の「通園支援事業」とは医療的ケアの必要度が高く、スクールバスによる通学が困難な医療的ケア児を対象に、福祉車両等を活用した通学支援を行う制度です。
車両には、訪問看護ステーション、放課後等デイサービス等の看護師が同乗し、乗車介助・必要に応じて吸引や酸素療法などの医療的ケアを行います。
ブランチェスが「通学支援事業」へ取り組む背景
福岡県では既に2022年の「福岡県医療的ケア児支援センター(新宮町)」開設や人材育成、レスパイト事業への取組みなど医療的ケア児とその家族への支援に力を注いでいます。とはいえ、さまざまな理由で十分な支援の手がまだまだ不足しているのが現状です。
医療的ケアを必要とする児童・生徒などの教育の機会の確保と、保護者の通学における付き添いの負担軽減のために、看護師が通学時に付き添い医療的ケアを実施する「通学支援事業」においても、同様の現状が伺えます。
【具体的な例】
特別支援学校にはバスでの送迎があるが、医療的ケア児の乗車はできない。理由として、看護師不足で同乗者がいない。また、多くの生徒を乗せている中、対象児のケアのために都度停車する事は難しい。救急時に搬送出来ないなどがあげられます。
支援概要とサービス利用の流れ
既に医療的ケアが必要な子どもたちの訪問看護、放課後等デイサービスの事業を行なっていたことで、医療的ケア児の「通学支援事業」にもスムーズに着手することが出来たと言えます。
各事業所の所在地エリアが対象となり、2024年11月現在は福岡市(早良区・城南区)及び北九州市(小倉南区・八幡西)の3つの事業所で実施しています。
【Branchesの事業所での支援概要】
■福岡市…利用者2名
[実施事業所]ありすの家 早良・ありす訪問看護リハビリ[事業開始]2023年8月より
[実施頻度]月2回程度
[通学先]今津特別支援学校、生の松原特別支援学校
■北九州市…利用者4名
[実施事業所]ありす八幡西
[事業開始]2023年4月より
(2022年12月~2023年2月末 モデルケース実施)
[実施頻度]ほぼ毎日
[通学先]八幡西特別支援学校、小倉総合特別支援学校
◎利用料金/保護者負担は無償、市が事業者に委託料を支払う。
【利用の流れ】
①通学見込みの児の保護者が市に利用の申請・依頼する。
②市が事業者を選定し、委託する。
※これまで利用している支援サービス(施設や訪看)など、児の状態を知っている事業者が選定される。
通学時に福祉タクシー等事業者の車両に看護師が同乗し健康観察及び安全確保その他所要な措置を実施する。
【利用可能な回数】
■福岡市…週1回 片道のみ ※その他の日はまだ保護者が付き添って通学している。
■北九州市…毎日ご利用可(往路)※他ステーションとも連携してほぼ毎日通学支援ができている。
今後の課題
福岡県内においても、サービスの内容に地域格差があると言えます。今後も常に利用者に寄り添い、支援の必要性を
訴えていくことが必要だと考えます。